前回、反力打法の3つの軸、すなわち「垂直軸」、「前後軸」、「飛球線方向軸」を紹介しました。
軸のイメージをつかみやすくするために、前回に続き、ゴルフダイジェスト社のWebページにある図を以下に示します。
「驚異の反力打法」では、前後軸を、『体の正面から見たときにお腹側から背中側へ突き抜ける、「垂直軸」と直角に交わる軸です』と定義しています。
そして、垂直軸だけでなく前後軸周りの回転も生かすために、ダウンスイングで「右肩は下がっていい」としています。
卓球で思い浮かべたこと
卓球界では、フォアハンドドライブで肩が上下に動くのは好ましくなく、両肩は床面に平行に回転すべきという考え方が主流と思います。
しかし、劉南奎選手、金擇洙選手、柳承敏選手(いずれも韓国のかつての名選手)などのフォアハンドドライブを見て、必ずしもそれは正しくないと思っていました。
例えば、金擇洙選手の
(『ペンホルダーは死なず。「韓国と中国の長所を取り入れた理想のスタイル」』(卓球王国)より引用)
や、柳承敏選手の
(『復活した猛虎、王皓に迫るもあと一歩!』(卓球王国)より引用)
のドライブ時のフォームを見ると、フォロースルー時に、ラケットハンド側の肩が他方の肩より明らかに上がっています。
特に金擇洙選手のフォームは、右足を介して床を押した反力によって、右脚→右腰→右肩に上向きの力がかかり、右腕のスイングをより加速したと見ることもできます。
現代卓球では?
現代卓球、特に2020~2021年の卓球では、より高速化が進み、よりコンパクトで水平方向のスイングを使うことが増えたように感じます。
しかし、東京2020大会での馬龍選手
や、世界卓球2021での樊振東選手
(『新時代の到来 樊振東が悲願の世界選手権王者に<世界卓球2021>』(Rallys)より引用)
を見ると、ハードヒットしていると思しき場面では、フォロースルーで右肩が上がっていることがあります。
卓球においても前後軸周りの回転を意識すると、新しい世界が開けそうな印象があります。
ただ、ちょっと気になる点があります。それについては別の機会で触れたいと思います。