前回の記事
で、前後軸周りの回転についてちょっと気になる点があると書いたので、その話をします。
軸のイメージをつかみやすくするために、前々回、前回に続き、ゴルフダイジェスト社のWebページにある図を示します。
前後軸周りの回転について
「驚異の反力打法」では、前後軸(と他の2つの軸)は体の重心を通ると定義しています。
体の重心をおへそのあたりと仮定して、体を前後軸周りに単純に回転させれば、右腰が上がり左腰が下がるか、左腰が上がり右腰が下がります。
さらに、右の脇腹(右腰~右肋骨)、左の脇腹(左腰~左肋骨)のそれぞれの距離は、回転してもほぼ変わらないはずです。
フォアハンドドライブ再び
もう一度、前回紹介した写真を見てみましょう。
金擇洙選手
(『ペンホルダーは死なず。「韓国と中国の長所を取り入れた理想のスタイル」』(卓球王国)より引用)
樊振東選手
(『新時代の到来 樊振東が悲願の世界選手権王者に<世界卓球2021>』(Rallys)より引用)
どちらの写真を見ても、右の脇腹が伸び、左の脇腹が縮んでいることがわかります。
これは、伊藤昇先生が提唱された、胴体力の「伸ばす/縮める」の動きのように見えます。
どうやら、卓球の場合、前後軸周りの回転は、一方の脇腹を伸ばし、他方の脇腹を縮めるような「伸ばす/縮める」の動きに対応するようです。
反力打法と胴体力
反力打法では、足に体重を乗せ、足が床を押すことにより、足に床反力が作用します。
胴体力を紹介した「スーパーボディを読む」(マガジンハウス社)では、「伸ばす/縮める」の動きをする際の注意点として、「手を伸ばす側の足(股関節)にしっかりと体重を乗せる」ことを挙げています。
おそらく、バックスイング~フォワードスイングの切り替えのときに右足に体重を乗せることにより、床反力を得ることと、「伸ばす/縮める」の「伸ばす」の動きを引き出すことの両方が可能になるのでしょう。
この結果が、金擇洙選手や樊振東選手のような体の使い方になっていると予想します。