TTmemorandumのブログ

卓球上達のためのヒントを提供します

卓球における戦い方(16)学習させない

今回は「学習させない」ことについて記載します。

学習とは?

ここでは、相手の球を受けることにより、相手の球質、配球のくせ、長所短所などを見抜くことを学習といいます。

例えば、相手の下回転サーブをネットミスしたときに、「この相手がこのスイングをしたら、自分が思っているより切れている」ことを学習します。これに対し、次からは同じサーブに対してラケットの角度を上向きにして処理する等の対応をします。

このような経験を1回、2回、3回と重ね、対応に成功することによって、学習した内容が自分に定着します*1。学習した内容が定着した結果、試合の中盤~終盤で無意識に対応できることは、多くの人が経験していることと思います。

学習させないとは?

例えば、次のようなことです。

球質に慣れさせない

配球パターンを覚えさせにくくする

1試合の中で多くの球質、多くの配球パターンを使うと、球質・配球パターンの一つ一つを見せる回数が減るため、相手の学習を遅らせることができます。*2

ただし、多彩な技術を安定して使えない選手がこれを実行すると、ミスを多発して自滅する可能性が高いので、使う人を選ぶ戦い方だと思います。

苦手なところを苦手に見せない

水谷選手は、著書(水谷隼の勝利の法則)の中で次のことを述べています。

  • 苦手なサービスが来たらミスしてもよいから強打して、「本当はここが強いんだ」と相手に見せる。
  • 嫌なサービスを出されているときに嫌でないサービスが来たらあえてミスをして、(自分がミスをした、嫌でないサービスを相手が出すようになることにより)嫌なサービスを出される本数を減らす。

これらは、相手に正しく学習させない戦い方と言えるでしょう。*3

*1:1回成功しただけでは、たまたまそうだったという可能性が少なからずあります。

*2:この考え方をさらに進めて、1試合のすべてのラリーで違う球質を使うと、相手にとっては2度と同じ球質の球が来ないため、学習の効果を無にできます。が、現実的ではなさそうです。

*3:苦手なサービスを強打して強く見せることは聞いたことがありますし、自分でも使うことがありますが、嫌でないサービスをあえてミスすることは、聞いたことがありませんでした。