前回の記事
の続きです。
少し話がそれましたが、本題に近いところに戻します。
蹴りのタイミング
戸上選手の写真(元記事はこちら)
の2番目の写真に、「床を強く蹴る」と書かれています。
右足で床を強く蹴ったら、その反作用で体が、特に右脚を含む右半身が、前方(~上方)に大きく移動するはずです。
しかし、床を強く蹴ると書かれている2番目の写真と、3番目の写真とを比べると、そのように見えません。背景の縦線の位置と比べてわかる通り、戸上選手の右腰の位置は、ほとんど変わっていません。
床に力を加えているのは、2番目の写真(インパクト直後)ではなく、1番目の写真の前後であり、その結果、1→2番目の写真のように腰が床に水平に、上から見て左回りに回っていると考えられます。
足の底屈に関するその他の情報
かつて陸上で3度オリンピックに出場した為末大氏は、自らが金メダルを取れなかった理由を語るブログ記事の中で、
高い疾走速度では足首の関節角度はほぼ一定の状態が望ましいとされ、むしろ足首関節の可動域が狭い方がよい
と述べ、さらに、
...地面に接地する瞬間の足首のキックを妙に意識してしまいその癖がついた。また、そのキックを強くするためにカーフレイズなどのトレーニングも行った。そのせいか中学三年間で、足首を接地した瞬間と、離地局面でやや動かしてしまう癖が残った。これも...最高速度に制限をかけたと感じている。
と述べています。
陸上の高い疾走速度の場面(スタート後、最高速に達した場面)と、卓球でフォアハンドを打つ場面(必ずしも最高速に達した場面とは言えない)とは異なります。しかし、瞬間的に大きな床反力を得る点は共通することから、フォアハンドを打つ場面でも、足首を底屈させるようなキック(蹴り)は使わないことを示唆しているように思えます。
むしろ、こちらのページに書かれているように、足関節(足首)が硬いようにふるまうことが大切かもしれません。