今回は、卓球における戦い方を書いていたときに気づいた小ネタです。
参考文献
記事を書くにあたって、水谷選手の「水谷隼の勝利の法則」、高島規郎さんの「卓球戦術ノート」、河野満さんの「写真でみる世界制覇への技術と戦術」などに目を通しました。
これらの本は、超一流の卓球選手が自分の言葉で戦い方を説明している、価値のある本だと思います。
本人が感じる長所・短所と、第三者の見方というのは、食い違うことがある
高島さんの「卓球戦術ノート」に、「本人が感じる長所・短所と、第三者の見方というのは、食い違うことがある」という節があります。
これによると、高島さんは選手時代にフォアカットが弱点だとまわりから言われたが、本人はフォアカットが得意だと思っていたそうです。フォアカットのミスがたくさん出るので弱点だとまわりからは見えるのですが、本人は、フォアカットで勝負にいく時には確実に得点できるという自負があったとのこと。
反対に、まわりはバックカットが得意と見ていたが、本人は弱点だからミスしないように返していたそうです。
これを読んだときは、ああそうなんだ程度に思っていました。
対戦相手の見方は?
その後しばらくしてから、河野さんの本を読んだところ、次の一節がありました。
たとえば、私が高島選手(カットマン・両面裏ソフトラバー)と対戦する場合、フォアの切れたカットをスマッシュすることが多い。なぜならば、フォアカットの場合、変化のつけ方がよく見わけられるからだ。反対に、バックカットの変化は見わけにくいので、バックの切れたカットは打たないようにした。
つまり、河野さんは、高島さんが確実に得点できると自負しているフォアカットの変化が見わけやすく、弱点だからミスしないように返しているバックカットの変化が見わけにくいと言っています。
これを読んだとき、高島さんの「本人が感じる長所・短所と、第三者の見方というのは、食い違うことがある」という見解について、深く納得できました*1。