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「卓球王 水谷隼 終わりなき戦略」を読んでみた

見出しのとおり、この本を読んでみました。2020年9月10日発行の初版です。

まずは、前作(負ける人は無駄な練習をする)、前々作(卓球王 水谷隼の勝利の法則)に続き、現役のトップ選手が自らの考え方をオープンにしてくれたことに感謝です。本人曰く、「考えていることの7割を書き出した」とのことなので、話題は多岐にわたっています。

印象に残った言葉

印象に残ったのは、「自分が無意識にしていることは相手に読まれている可能性がある」という言葉です。

気づけば直すチャンスがあるのですが、気づかなければ直せない。これに関連して、水谷選手は「すべてのポイントではなく、数本に1本でも良いから、プレーを自問自答する」と述べています。

例えば、フォア前に横下回転のサービスが来たら、相手のフォア前にストップするのがセオリーだそうですが、その打球する瞬間に、「あれ、オレ、今無意識にフォア前にストップしようとしていたな」と自問自答するそうです。

これは意識したことがありませんでした。次の練習で試してみます。

引っかかったこと

本を読んでいると、何か引っかかるのです。マインドマップの形式で目次と主な内容を整理したところ、理由がわかりました。

各章の中の節の見出しと、その節に書かれている内容との間にミスマッチがあるのです。

ミスマッチその1

先ほど挙げた「自分が無意識にしていることは相手に読まれている可能性がある」は、「相手の癖や弱点を見破るコツ」という節の中で出てきます。

無意識にしていること≒癖 という関係はあるにせよ、自分が無意識にしていることと、相手の癖や弱点を見破ることとは、明らかに別の話です。

そこで、例えば「自分の癖を直す方法」という別の節を作り、その中で「自分が無意識にしていることは相手に読まれている可能性がある」~「自問自答する」という話をしていれば、引っかかりなく読めたと思いました。

ミスマッチその2

「相手の癖や弱点を見破るコツ」という節の副見出しは、「ミスした時の表情を注視する。嫌なところを突いたら表情は変化する」です。

しかし、この副見出しの内容は、この節に明示されていません。強いて言えば、「競った時には相手の仕草、表情、そしてベンチの表情を注視する」と書かれていることが、副見出しの内容に近いです。

また、「嫌なところを突いたら~」は、この節の中に見つけることができませんでした。これは、二つ前の節、「初対戦の相手に対する勝ち方」に書かれている内容に近いです。

内容に注目しましょう

但し、これらは水谷選手が語っている内容そのものとは関係ない話です。編集上の何らかの事情により、このような書き方になったと思われます。

そこで、この本を読むときは、例えば段落単位で、書かれている内容に注目することがお勧めです。