チキータのコツとしてバックスイング時にラケットハンド側の肘を上げることがよく知られています。
例えば、(少し古いですが)上田選手の動画を見てみましょう。
このように上回転をしっかりかけるチキータの場合、上げた肘は打球の際にどう動いているのでしょうか。
以下の写真は、この動画に関連する卓レポのWebページに載っているものです。
一番上の写真で高く上がった肘が、二番目の写真で下がっていることがわかります。
より最近の例では、西沢銘コーチの回転重視のチキータでも、上げた肘は打球後に下がっています。
なんでこんな動きをするのだろうと疑問に思っていたところ、当ブログの2年近く前の記事
で紹介した原理が活用されているからでは?と思い当たりました。一部抜粋します。
すると、肘を引くことで、前腕+手が重心回りに回転し、ラケットが打球方向に振られることがわかります。
外から見ると、肘と手との間を支点にしてラケットを振っているように見えることでしょう。
この方法、回転の中心(前腕+手の重心)からラケットまでの距離が短いので、バックハンドフリック、早いピッチでのバックハンドなど、比較的小さな動きの打法に適用できるかもしれません。
要するに、バックスイングで上げた肘を下げるように上腕側から前腕に力を加えると、<前腕+手+ラケット>の系の重心を中心とした回転運動が生じて、ラケットが上方向に振られるというわけです。
つまり、「(肘を)上げるのは(その後に肘を)下げるため」であり、肘を下げるのはラケットを上に振るためということです。
いかがでしょうか。