TTmemorandumのブログ

卓球上達のための情報を提供します

卓球における戦い方(19)学習されても押し切る

ここまで、学習シリーズとして
1. (相手に)学習させない
2. (相手に)学習させて逆を突く
について記載してきました。

今回は残りの
3. (相手に)学習されても押し切る
について記載します。

学習されても押し切る、とは?

読んで字のごとく、です。自分の戦い方を相手に学習されても、お構いなしに同じように戦い続けて、勝ちにつなげる戦い方です。

一例として、変化カットに対して安定したカット打ちができるドライブ型が、カット型に対してワンサイド(仮にバック側とします)にドライブを集め、ドライブ対バックカットのラリーで粘り倒してしまう戦い方があります。

どんな時に有効か?

相手が多用する技術より、自分が使う技術が優れているときに有効です。上の例では、相手のバックカットより、自分のカット打ちが優れているときに有効です。

どんな効果があるか?

取りこぼしが減る

学習させないようにいろいろなことをすると、相手からいろいろな返球が返ってくることがあり、自分が相手の返球を読めずにミスが出て競り合いになることがあります。これに対し、この戦い方をすると、技術の差が点数の差につながりやすいので、取りこぼしを減らしやすくなります。

集中しやすくなる

自分のやることが単純化されるので、相手が何をするかと自分が如何にうまく打つかに集中しやすくなります。

リスクを冒させるように相手を追い込める

この戦い方が機能すると、相手はじり貧になることを避けるために別のことを行う必要に迫られます(先のカット型の例であれば、ドライブに対して攻撃を仕掛ける、サーブ→三球目攻撃を多用するなど、プレーを変えざるを得なくなります)。つまり、相手はリスクを冒さざるを得ない状況になります。

そこで相手のミスが増えれば、自分がより有利になります。また、相手の変化に自分がうまく-五分五分より少し有利な程度に-対応できれば、相手は打つ手が少なくなって、さらに追い込まれます。

卓球における戦い方(18)「逆」の突き方

今回は、「学習させて逆を突く」の続きで、「逆」の突き方についてです。

なお、「逆を突く」という言葉は、相手の待ちを外す、不意を突く等の意味で使っています。このため、「逆を突く」には、カットに変えてドライブを使うようなものだけでなく、回転量を多く/少なくする、フォアに打っていたものをミドルに打つ等のものも含まれます。

何を「逆」にするか?

自分の狙い球を逆にする場合と、自分の打球を逆にする場合があります。

前回挙げた例を分類してみます。

  • 自分の狙い球を逆にする
    • (例1)ナックルツッツキ+相手の浮いた返球を攻撃する、というパターンで点を取っているときに、ぶつ切りツッツキで相手に低いツッツキをさせて、その低いツッツキを狙って攻撃する
  • 自分の打球を逆にする
    • (例2)「ロングサーブは上回転」と相手に学習させた後に、ナックル性の速いロングサーブを出す

2つの組み合わせ、つまり、狙い球と打球の両方を逆にすることも可能です。例1で、相手の浮いた返球をストレートに攻撃して点を取っているときに、相手の低いツッツキをクロスに攻撃して点をと取るのが、その一例です。

さらに点を取りやすくするために

逆を突くときには、打球の5要素(打点、回転、球速、落点、高さ)*1のうち、2つ以上について同時に逆をつく(同時に変える)ことが有効です。

特に、落点(コース)、球速のように目につきやすい要素を変えると同時に、回転(特に回転量)のように目につきにくい要素を変えることにより、相手は目につきにくい要素への対応が不十分になるようです。

例えば、例2を応用して、上回転のロングサーブを何本か相手のフォア側に出しておいて「ロングサーブは上回転でフォア側に来る」と相手に学習させた後に、ナックル性の速いロングサーブを相手のミドル又はバックに出します。

こうすると、相手は、落点(コース)の変更に対応することに気をとられ、回転の変化に対応できないことが多々あります。

取り入れやすいのは?

「学習させて逆を突く」を取り入れやすいのは、「自分の打球を逆にする」のうち、例2のように自分のサーブを変えることでしょう。自分のサーブは、相手の打球に影響されずに変えられますので。

*1:戦い方の第1回目の記事を参照。

卓球における戦い方(17)学習させて逆を突く

前回は、学習させないことについて記載しました。

今回は、学習させて逆を突く、です。*1

学習させて逆を突く

試合が進むにつれてラリーが続くようになることが多いですが、これは、自分も相手もお互いの球質、配球パターン等を学習し、うまく対応できるようになるためです。*2

学習され対応されることは、嬉しくありませんが、学習させた内容の逆を突いて点をとるチャンスでもあります。これを意識して使います。

いくつか例を挙げます。

  • ショートサービスを主体にしながら上回転系の速いロングサーブを混ぜ、「ロングサーブは上回転」と相手に学習させた後に、ナックル性の速いロングサーブを出す→「ロングサーブは上回転」と思って手を出すと、ナックルなのでネットミスします
  • カットマンが ナックルツッツキ+相手の浮いた返球を攻撃する というパターンで点を取っているときに、ぶつ切りツッツキで相手に低いツッツキをさせて、その低いツッツキを攻撃する→相手は切れたツッツキの後に攻撃されると思っていないため、意表を突くことができます*3

いつ逆を突くか?

効果的なのは、1ゲーム/1マッチの終盤です。

中国選手に善戦した日本選手が、「最後に新しいサーブを出されて対応できなかった」ということがありますが*4、これは、日本選手が学習した逆を中国選手が突いた例と思われます。

また、水谷選手は、「1ゲーム目を先取したら、...1ゲーム目と違うことをする。...こちらは2ゲーム目で全く違うことをやり、相手をさらに混乱させる。」*5と述べていますが、これも、学習させて逆を突くの一例と言えるでしょう。

*1:この記事を書く前にざっとググってみたところ、mizuno-shunsukeさんが、サーブに関して、「相手の弱点は意図的にこちらが作るもの」という似た趣旨の話をしています。

*2:チームメイトとの試合で手の内を知り尽くしているというのは、この学習が非常に進んだ状態と言えるでしょう。

*3:とある市民大会で、高校で県ベスト16程度の高校生が、勝負所でこのパターンを使って超有名実業団チームの選手(但しレギュラーには遠い選手)に勝った試合を覚えています。

*4:おぼろげな記憶に頼って書いています。

*5:水谷隼の勝利の法則」P.140