「異質ラバー」の意味
今回は小ネタです。
異質ラバーとは?
先日、卓球ジャパンを見ていたところ、異質ラバーという言葉を使っていました。
その使い方が、
というもので(以下、定義1と呼びます)、あれ???と思いました。
私の現役時代は、「異質ラバーを使っている」というと、フォア面に裏ソフト、バック面に粒高など、性質が異なるラバーを張ったラケットを使っていることを意味していました(以下、定義2と呼びます)。ラケットのある面と他の面とに異なる性質のラバーを張ることから、異質ラバーと呼んでいました。
つまり、異質ラバーの「異質」の意味合いが、
- 裏ソフトラバーと異なる性質(定義1)
- 反対側の面のラバーと異なる性質(定義2)
のように異なるわけです。
昔の使い方の実例
私の記憶違いかと思い、少し調べてみました。
1981年の卓球レポート
まずは古い記事から。
今から約40年前(!)ですが、卓球レポート1981年12月号の「作戦あれこれ」で、故長谷川信彦さんは、
なぜならば、両面同質のラバーと裏ソフトとアンチラバーの異質ラバーとでは作戦、プレー内容が大きく違い、そのためにシャドープレーもかわる。
と書いています。「裏ソフトとアンチラバーの異質ラバー」は、定義1とは異なり、定義2に合致します。
1997年の卓球王国
また、卓球王国プレ創刊号(1997年1月発売)の「超ビギ・ゼミナール」で、星野一朗さん(現Tリーグ理事長)は、
カット型はシェークハンドグリップに異質ラバー(両面のラバーが違う)を使用する選手が多いようです。
と書いています。これはまさに定義2です。
2003年のヤサカのカタログ
さらに、2003年のヤサカのカタログに載っているコバルトαの紹介文、
ラケットの感触がそのまま伝わるオーソドックスな一枚ラバー。一枚ラバー特有のナックルショートを繰り出すことができる。異質ラバー攻撃型にも最適。
は、定義2に従って読む方がしっくりきます。
これらの事実があることから、記憶違いではなさそうです。
さて、どんな経緯で最初に紹介した定義が出てきたのでしょうか??