以前、「対戦相手を偵察するときの留意点」の中で、「いざ試合を偵察すると散漫な見方になってしま(う)」という話をしました。
この問題の解消に役立ちそうな情報を入手しました。
それは、偵察対象だけを見て、偵察対象が対戦中の相手を見ないことです。
ビデオ分析の場合であれば、画面の上半分か下半分のどちらか(偵察対象が対戦中の相手がいる方)を、透けない下敷きやノートなどで隠すとのこと*1。
さっそく、孫穎莎選手を偵察するつもりになって、録画してある伊藤美誠ー孫穎莎戦を、孫選手だけに注目して(伊藤選手を見ないようにして)見てみました*2。
一方を見ないようにすると、気づく内容が変わりますね。
例えば、孫選手が伊藤選手のフォア側につっつき、伊藤選手が孫選手のフォアに打ったドライブを、孫選手がカウンタードライブして得点する場面で、孫選手は、初めからフォアドライブを打ちやすいラケット角度で待っていたことに気づきました。
シェークの選手の場合、バックハンドを打ちやすい角度で待つことが多いと思いますが、この場面で、孫選手は、はっきりとフォアハンド、さらに言うと、フォア面が下を向いていたのでフォアドライブを打ちやすい角度で待っていたのが印象的です*3。今までの見方では、この点に気づかなかったと思います。
また、偵察対象の選手の打球後の戻り方や、どのようなコース取りで攻められているかに気づきやすくなる印象を持ちました。
以上のように、偵察時に、偵察対象が対戦中の相手を見ないことは、偵察する際に役立ちそうな印象を持ちました*4。