TTmemorandumのブログ

卓球上達のためのヒントを提供します

東京2020オリンピック 混合ダブルス準々決勝

東京2020オリンピックの全日程が終了しました。

卓球の感想を一言でいうと、「水谷選手凄すぎる」につきます。特に、混合ダブルス準々決勝のフランツィスカ/P.ソルヤ(ドイツ)との対戦は、マンガでもあり得ないと思わせるような大逆転劇でした。

試合を見ていない方、ハイライトしか見ていない方には、ぜひ、最終ゲームを最初から見てほしいです。NHKの東京2020オリンピックのページ

sports.nhk.or.jp

の2時間15分50秒頃から、約18分間です。

最終ゲームの反撃場面の特徴は?

最終ゲームを見直して、ポイントごとに得失点場面を簡単にまとめました(後述します)。

最大得点差の2-9になったあとは、それまでと次の点が異なっていました。

  • 水谷選手がフォア強打を使いだした。
  • しかも、5本強打したうちの4本を決定打にした。
  • 伊藤選手はフォア前・フォアミドル前の処理でバック面でのツッツキ、ストップを多用し、バック面の強打とフォア面を使わなかった。

サーブレシーブに着目すればさらに他の特徴がわかりそうです。*1

最終ゲームの各場面で何を感じたか、何を考えたかを、ぜひ両選手に聞いてみたいものです。

最終ゲームの得失点の場面

以下、最終ゲームの得失点の場面を、1点目から順に簡単に書き出します。選手名は敬称略です。

1:伊藤がフランツィスカのフォア前にバック面でストップレシーブするが、少し浮いて、フランツィスカがフォアクロスにドライブを決める。0-1。

2:伊藤がフランツィスカのミドル前にバック面でストップレシーブし、フランツィスカがフォアツッツキを水谷のフォアサイド深くに送り、水谷のフォアドライブがネットにかかる。0-2。

3:水谷がバック前へのストップをフォアハンドでクロスにつっつき、ソルヤが回り込みフォアドライブを伊藤のフォアに打ち、伊藤が中陣からフォアドライブをクロスに打つがネットミスする。0-3。

4:フランツィスカが水谷のバッククロスを切るように短めのツッツキを送り、水谷がバックドライブでソルヤのバック側に持ち上げ、ソルヤがバック強打で伊藤のフォアをノータッチで抜く。0-4。

5:水谷がバック前からクロスにチキータし、ソルヤがバックハンドをクロスに打ち、球威に押された伊藤のフォアハンドがオーバーミスする。0-5。

6:ソルヤがバックハンドで水谷のフォア前にストップレシーブし、水谷がフォアハンドの流し気味のフリックをフランツィスカのフォアに決める。1-5。

7:水谷がミドル前からフランツィスカのバック深くにナックル気味のツッツキ(orフリック)を送り、フランツィスカが強烈なバックドライブを伊藤のフォアミドルに決める。1-6。

8:水谷がミドル前からフランツィスカのミドル前にストップしたが少し浮き、フランツィスカがバックドライブを伊藤のフォアに打ちノータッチで抜く。1-7。

9:フランツィスカがフォアクロスにドライブを合わせ、伊藤がフォアクロスにドライブし、ソルヤが中陣からバックハンドで合わせるが水谷のバックサイドを割る。2-7。

10:水谷がフランツィスカのバックにチキータレシーブし、フランツィスカが伊藤のフォアミドルに強烈なバックドライブを決める。2-8。

11:フランツィスカが水谷のショートサーブを伊藤のフォア前にフォアハンドでストップし、伊藤がフォアハンドで合わせ気味にクロスにフリックするが、エンドを割る。2-9。

12:ソルヤが台から出るストップに対して水谷のミドルにバックドライブし、水谷がフォアドライブでフランツィスカのバックにつなぎ、フランツィスカが伊藤のフォアミドルに強いバックドライブを打つが、エンドを割る。3-9。水谷は、このゲームで初めてフォアドライブを打った。

13:伊藤がレシーブで逆チキータをソルヤのバックに送り、ソルヤがバックハンドで水谷のミドル深くに合わせ、水谷がフォアドライブをフランツィスカのフォアミドルに決める。4-9。水谷は、このゲームで初めてフォア強打を打った。

14:ソルヤが水谷のフォア前にバックハンドでストップし、水谷がフォアハンドの流し気味のフリックをストレートに打ち、フランツィスカがフォアドライブをストレートに打つがネットにかかる。5-9。

ここでドイツがタイムアウトを取る。

15:フランツィスカが伊藤のミドルにバックドライブを打ち、伊藤がバック面で左回転のサイドスピンブロックをソルヤのバックに送り、ソルヤがバックドライブを打つがネットにかかる。6-9。

16:フランツィスカがフォアクロスにドライブを打ち、伊藤が中陣からフォアクロスにドライブを打ち、ソルヤが前陣でバックハンドを水谷のバックに打ち、ノータッチで抜ける。6-10。

17:伊藤がフォアに来たフランツィスカのフォアドライブを台の中央に打ち返し、ソルヤがフォアハンドで水谷のフォアサイドにドライブでつなぎ、水谷がフォアハンド強打をフランツィスカのバックサイドに打ち、ノータッチで抜ける。7-10。

18:水谷がレシーブでチキータをフランツィスカのミドルに打ち、フランツィスカがバックドライブを伊藤のミドルに打つが、うまくヒットせずネットにかかる。8-10。

19:伊藤がフォアミドル前へのストップをバック面でソルヤのミドル前にストップし、ソルヤが逆チキータで水谷のフォアに打ち、水谷がフォア強打をクロスに決める。9-10。

20:ソルヤがミドルへのつっつきに対してバックドライブを水谷のフォアに打ち、水谷がフォア強打をフランツィスカのフォアに打ち、フランツィスカはフォアドライブをフォアクロスに打つが、エンドを割る。10-10。

21:伊藤がフォアミドル前へのストップをバック面でソルヤのバックにつっつき、ソルヤがバックドライブを水谷のフォアミドルに打ち、水谷がフォア強打を打つが、フランツィスカのフォアサイドを大きく割る。10-11。

22:伊藤がフォアハンドで下回転系のショートサーブを出し、ソルヤがフォアハンドで水谷のバックミドルにストップするが、ネットにかかる。11-11。

23:伊藤がフォアミドルに来たフランツィスカのバックドライブをフォアハンドの伸びる球でソルヤのミドルに打ち、ソルヤが詰まりながらもフォアハンドで水谷のバック側に高いドライブを打ち、水谷がバックハンド強打をクロスに打つが、エンドを割る。11-12。

24:フランツィスカがフォアハンドで伊藤のバックにつっつきレシーブし、伊藤が打点の早いバックドライブをストレートに打ち、ソルヤがバックハンドを水谷のフォアに合わせるが、ネットにかかる。12-12。

25:ソルヤがミドルに来たツッツキをバックドライブで水谷のバックに打ち、水谷がバックハンドで打球を殺すようなブロックをストレートに打ち、フランツィスカがバックドライブを伊藤のフォアに打つが、エンドを割る。13-12。日本、初めてマッチポイントを握る。

26:伊藤がフォアハンドサーブを出し、ソルヤがチキータを水谷のバックに打ち、このボールがネットインして水谷が対応できず。13-13。

27:水谷がチキータレシーブをフランツィスカのフォアに打ち、フランツィスカがフォアドライブを伊藤のフォアに打ち、伊藤がフォアドライブをクロスに打つが、ネットにかかる。13-14。

28:フランツィスカが伊藤のフォア前にフォアストップし、伊藤がバック面でソルヤのミドルにつっつき、ソルヤがバックハンドを打つがヒットせず。14-14。

29:ソルヤがフォアハンドで水谷のフォアサイドを切るようにつっつき、水谷が斜め前に出ながらフランツィスカのフォアにドライブし、フランツィスカがフォアドライブで伊藤のバックサイドを狙うが、エンドを割る。15-14。

30:伊藤がフォアハンドのロングサーブを出し、ソルヤがフォアドライブを打つが、大きく台を越える。16-14。

*1:分析するパワーがなくなってしまいました