TTmemorandumのブログ

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骨盤の水平回旋(腰の回転)(2)

前回

ttmemorandum.hatenablog.jp

の続きです。

前回は、フォアハンドドライブにおいて、右股関節(ラケットハンドが右の場合。以下同じ)を屈曲状態から伸展する動きによって骨盤を水平回旋させることが有効と考えて、まず間違いないという話をしました。

今回は、もう少し詳しくその内容を説明します。

股関節を伸展させる筋肉は?

股関節の伸展の主動作筋は、大殿筋とハムストリングス大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)です。*1

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これらの筋肉が収縮して、股関節を伸展させます。

卓球の場合

卓球王国2020年4月号の『「脱・手打ち」のスイング改造術』において、中澤鋭氏(当時JOCエリートアカデミー女子監督)は、股関節の使い方に関連して、

...右のお尻が少し張った状態になるはずです。この態勢はまさにフォアハンドのバックスイングと同じ。

と述べています。

大殿筋はお尻の大きな筋肉です。お尻の張りは、フォアハンドのバックスイング時に、主に大殿筋が引き伸ばされたことにより生じたものと思われます。

ここから大殿筋等が収縮して、股関節を伸展させます。

股関節と足の位置

ここまでで、

  1. 大殿筋とハムストリングスが収縮して
  2. (右膝関節を固定しつつ)右股関節を伸展する動きで地面(床)を強く押すと
  3. 右股関節の打球方向*2への押し出し(つまり骨盤の(水平)回旋)が発生する

ことがわかりました。

しかし、2.と3.との間で、話が少し飛躍しています。

飛躍1

まず、3.で右股関節が打球方向に押し出されるためには、右股関節に何らかの力が加わることが必要です。

この力は、2.で右足が床を押した反力(床反力)です。

飛躍2

床反力が右股関節にかかるとしても、

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のように右足の真上に右股関節があったら、床反力は右股関節を上方に動かすように働きます。

これでは右股関節は打球方向に押し出されず、骨盤は水平回旋しません。

そこで、右足は、上から見て右股関節の外側(骨盤の外側)に位置することが必要です。

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こうすれば、右股関節が伸展する動きによって生じた右足が床を押す力は、斜め下向き(右股関節から右足へ向かう直線のほぼ延長線上)に加わります。

その反力は、加えた力の反対向き、つまり斜め上向きに加わります。斜め上向きの力は、上向きの力と横向き(水平方向)の力が合わさったものなので、右股関節に水平方向の力が加わります。

これにより、右股関節の打球方向への押し出し(骨盤の水平回旋)が発生します。

まとめ

このようにして骨盤を水平回旋させる(腰を回転させる)ことによって、フォアハンドドライブの威力を出すことができます。

実践する上でのポイントは、バックスイング時の右股関節の位置、特に右足に対する右股関節の適切な位置を見つけることでしょう。右足の真上に右股関節があると、床反力を有効に活用できません。

中澤氏の言う「右のお尻が少し張った状態」が、この位置を見つけるために役立つかもしれません。

この股関節の位置を見つけられると、骨盤の水平回旋とともに右腕が勝手にスイングする感覚を得られることがあります。

この感覚でフォアドライブを打てれば、今までより打球の威力が増すことでしょう。

*1:例えばこちらのWebページを参照。

*2:前回の記事では「投げ方向」としています。