これから数回にわたって、卓球における試合の戦い方について記載します。 以後の記載は、基本的に1つの試合に注目したものです*1。
今回は、戦い方について記載する前に、戦い方を構成する要素を整理します。
打球に直結すること、しないこと
まず、戦い方を構成する要素を、打球に直結するか否かで大別します。
打球に直結する要素については後で述べます。
打球に直結しないが戦い方に関係する要素には、例えば以下のものがあります。
- 感情表現(ファイトむき出しで戦う/ポーカーフェースで戦う)
- 間合い(ラリーが終わってから次のラリーまでの間合いを短くする/長くする(タイムアウトもこの一種)、ラリー後に相手より先に構える/後に構える)
- チャレンジ(どのようなときにチャレンジ(ビデオリプレイ)を要求するか)
これらについては、記載の対象外とします。
打球に直結する5つの要素
卓球においては、相手が返球に失敗すると自分の得点になります。つまり、試合に勝つためには、相手が返球に失敗する確率の高い性質の球を、数多く相手に送ることが有効です。
それでは、打球の性質を決める要素は何でしょうか。
- 打点(上昇期/頂点/下降期*2、フォア/ミドル/バック*3)
- 回転(上回転/下回転/横回転/斜め回転、多い/少ない/無い)*4
- 球速(速い/遅い)
- 落点(フォア/ミドル/バック、浅い/深い)
- 高さ(打球の弧線が高い/低い)
この5つの要素で打球の性質が決まります。そして、この5つの要素は、基本的には自分の意思で制御できるものです*5。
次回から、この5つの要素を用いて戦い方を記載します。
*1:リーグ戦の戦い方や、トーナメントを勝ち上がるときの戦い方については対象外とします。
*2:ラリー中。サーブ時は、投げ上げた球の下降期を打球することがルールで決まっています。
*3:サーブ時。レシーブ以後のラリーでは、相手の打球によって決まります。
*4:最初の投稿時には「(上回転/下回転/横回転/斜め回転/無回転)」としましたが、回転には方向と量の2種類の要素が含まれることを明確にするため、「(上回転/下回転/横回転/斜め回転、多い/少ない/無い)」と修正しました。
*5:ボールの運動に影響を与えるという観点から見ると、「落点」と「高さ」は、「打球方向(x, y, z方向)」とするのがより適切です。但し、自分が打球するときに「x方向から〇度、y方向から〇度、z方向から〇度」のように3方向に分けて意識する人はいないでしょう。多くの人は、「フォア前に」、「低い球を」などと意識して打球していると思います。また、「x方向から〇度、y方向から〇度、z方向から〇度」よりも、「フォア前に」、「低い球を」などの方が、直観的にわかりやすいでしょう。そこで、「打球方向(x, y, z方向)」に代えて「落点」と「高さ」を用います。