フォアハンドドライブは、主に右脚の力を床に作用させ、その反力を使って腰を回転させるという意識で打っていました(ここでは、ラケットハンドが右手の場合を想定しています)。
そんなとき、たまたま「驚異の反力打法~飛ばしたいならバイオメカ」(ゴルフダイジェスト社)という本を手にしました。
バイオメカニクスを専門とするDr. Young-Hoo Kwon(ヤン・フー・クォン教授)が、ゴルフのレッスンプロと共同で著したゴルフの本です。
この本は、地面反力をスイング*1に生かすためのメカニズムとその実践方法を解説した本で、いろいろ興味深いことが書かれています。内容のいくつかはゴルフダイジェスト社のWebページのリンクから参照できます。
スイングの3つの軸
スイングで3つの軸(「垂直軸」、「前後軸」、「飛球線方向軸」)を考えることは、興味深いことの一つです。イメージをつかみやすくするために、上のWebページのリンク先の一つにある図を以下に示します。
「前後軸」、「飛球線方向軸(飛球線軸)」*2という考え方は、今まで聞いた覚えがないものでした。また、これらの軸の周りの回転がゴルフのスイングにどのような働きを及ぼすかは、筆者にとって新たな発見でした(筆者はゴルファーではありませんが)。
もっとも、今回の話は、「垂直軸(縦軸)」に関するものです。
垂直軸周りの回転を生じさせる方法
垂直軸周りの回転を生じさせる方法として、「右足を背中側に、左足をお腹側へと互い違いに地面を蹴る」ことが紹介されています。その結果として、以下の図に示すような地面反力が生じます(ゴルフダイジェスト社の別のWebページの図を示します)。
参照元のWebページに簡単に説明されていますが、少し説明を補足してみます。
この図は、ボールを図の左側に打とうとしてバックスイングを取った場面を、プレーヤーの上方から見た図です。
右足を背中側(図の下側)に蹴ると、その反力はお腹側(図の上側)に働きます。この反力が図の右側の上向きの矢印に対応し、体の右側を図の上方向に動かそうとします。
同様に、左足をお腹側(図の上側)に蹴ると、その反力は背中側(図の下側)に働きます。この反力が図の左側の下向きの矢印に対応し、体の左側を図の下方向に動かそうとします。
結果として、これらの反力は、右足と左足との間の垂直軸を中心として、上方から見て反時計回りに体を回転させるように働きます。
卓球に応用できるかな?
ここで卓球の話に戻ります。
フォアハンドドライブは、このゴルフのスイングと同じように、上方から見て反時計回りに体を回転させます。
しかし、そのときに、体を回転させる力を(右足だけでなく)左足で床に伝えるという発想は、筆者にはありませんでした。
もちろん、ゴルフと卓球とでは打法*3も制約*4も違うので、この考え方をそのまま卓球に応用できるかどうかはわかりません。
ただ、もう少し考えを深める価値はありそうです。