フリック時の腕の使い方についての妄想(2)
前回
の続きです。
ちょっと修正
前回、妄想の概略として
と書きました。
しかし、フリックの場合、手首を尺屈させる筋肉(拮抗筋)の活動に頼らなくても手首は小指側に曲がります。手にラケットの重みがかかるためです。
後述する感覚を考慮すると、フリックに関する上の妄想は、
- フォワードスイング(正方向の動作)の前に、ラケットの重みを生かして手首を橈屈させる筋肉を引き伸ばした状態をつくり、
- 手首を撓屈させる筋肉と腱(複合体)の十分な予備緊張を得て、バックスイングせずに速やかにラケットを加速させる。
が適切な印象です。
妄想の詳細
対下回転のフォアフリックを例にして書きます。
1)手首を少し小指側に曲げ、手首を橈屈する筋肉とそこに付着した腱の弛みを無くします。
曲げ方のイメージは、以前示した
に対して、こんな感じです。
なお、上の絵はフォア面、下の絵はバック面を示していますが、画面上で前腕が水平になるように揃えました。*1
2つの絵を比べると、下の絵では上の絵より手首が小指側に曲がっていることがわかると思います。
このために、ラケットの重さを利用します。
2)1の状態でボールの斜め下(自分に近い側)と台との間にラケットを入れます。
3)2の位置からラケットを斜め上方向にスイングします。このための運動エネルギーは、体幹部→上腕→前腕(→手)の順に伝達されます。
4)手首を撓屈させる筋肉と腱の弛みが無いので、前腕に伝達された運動エネルギーは、この筋肉等の弛みを解消するために使われることなく、すぐに手とラケットに伝わります。
このようにすることで、バックスイングをせず、フォワードスイング開始とともに速やかにラケットを加速できます(妄想)。
意識している点
上のフリックをするために筆者が意識している点を書きますが、そもそも、ある人が意識している点を他の人に伝えることがどれだけ有用かは、ケースバイケースと思っています。
というのは、仮にシェークハンドグリップに限定したとしても、
- 現在のグリップが人によって違う(普段からラケットヘッドを立てている人、寝かせている人、等々)
- 現在のスイングが人によって違う(擦り気味の人、叩き気味の人、等々)
- 同じグリップ・スイングに対する感じ方が人によって違う(外から見て同じ握り方でも、ヘッドを立てていると感じる人も、寝かせていると感じる人もいる、等々)
という事情があるためです。
そこで、話半分に読んでいただければ十分です。
筆者が主に意識している点は、次の3点です。
1については、プレーを録画して確認したところ、本人の感覚より尺屈の度合いがだいぶ少ないことがわかりました。手首を尺屈する意識は、あまり外形に現れないのかもしれません。
2については、特に下回転のボールに対しては、これができないとフリックが安定しません。*2
3については、ラケットヘッドが遅れる感覚があると、ボールにエネルギーがうまく伝わりません。
意識していない点
反対に、以下の点についてはほとんど意識していません。
- 手首を尺屈させる筋肉を収縮させること。
- 手首を尺屈させる筋肉の収縮を止めること。
- フォワードスイング時に手首を撓屈させる筋肉を収縮させること。
個人の感想
打球コースを決めた練習のレベルでは、フォアフリックが明らかに安定しました。また、スイングを自分できちんと制御できている感覚があります。
ただし、サーブをコート全面に出してもらい、フォア・バックを使い分けてレシーブするような実戦形式の練習では、まだうまく使いこなせていません。これは習熟(慣れ)によって克服できる印象をもっています。