前回ttmemorandum.hatenablog.jpの続きです。
卓球界での使用状況
「弾く」の卓球界での使い方を見てみましょう。
若宮三紗子さんの場合
例えば、VICTASアドバイザリースタッフの若宮三紗子さんは、表ソフトのバックハンド軽打 www.victas.com のポイントとして、「回転をかけるのではなく弾くことを意識する」と語っています。
「回転をかけるのではなく弾くこと」と説明していることから、若宮さんは、「弾く」を、回転をかけることと対になる意味で使っているようです。
ここで、ラケットが球に伝える力は、球を重心回りに回転させる力と、球の重心を動かす(球を並進運動させる)力とに分解することができます。
想像するに、「弾く」という言葉で、球の中心(=重心)に向けて力を加えるように打つことを伝えたいのでしょう。
松平賢二選手の場合
松平賢二選手は、下回転に対するフォアドライブの打ち方(V15 Extra使用時)について、
うまく力を抜きながら、最後当たる瞬間だけ、インパクトの瞬間だけ力を入れて、また抜いてあげると。その中でちょっと、短く弾き気味、弾き気味って言ったらあれですけど、ドライブの中でも弾く方、掴むより弾く方をメインで打ってあげると、下回転はかなり打ちやすい。
ドライブの話なので、「掴む」も「弾く」も回転のかけ方を説明していると思われます。そのうち「弾く」は、ラケットを球に厚く当てることに対応する印象です。
「弾く」とは?
調べた内容を加味して考えてみました。
卓球界で使う「弾く」とは、
- 手首・指のスナップを利かせて、
- 球をはね飛ばすように打つこと
であるというと、筆者にとってしっくりきます。
スナップを利かせるためには、曲げた手首・指が元に戻る力が使われます。
また、スナップを利かせて打つといっても、例えば回転量の多いショートサーブのように主に回転をかける打ち方は、「弾く」とは違います。球の並進運動を強く生じさせる(→球をはね飛ばす)ように打つことが、「弾く」ことです。*1
皆さんの「弾く」のイメージはどのようなものでしょうか。
*1:回転量の多いサーブでも、速いロングサーブを出す打ち方は、「弾く」と表現できることがあります。