マッスルスラック(3)
前回
の続きです。
小ネタを忘備録代わりに記事にします。
関節を硬いバネのように扱う
以前の記事
の中で紹介した、全日本ナショナルチームの男子選手について、フォアハンドトップスピンストロークを行った時の肩と腰の関節運動の特徴を調査した結果(本文はこちら)の「IV 考察」には、
ラケット速度の増大やスイング時間の短縮を図るには,体幹関節だけでなく,肩関節においても身体の遠位部に遅れが生じすぎないよう,伸張性の局面から筋の強い収縮力により運動方向の切り替えがなされる必要がある.硬いバネのように関節を扱うためには,肩関節については水平内転筋である大胸筋や三角筋前部が,体幹関節については回旋筋である外腹斜筋や内腹斜筋の強い張力が必要と考えられる
と記載されています。
また、「VI まとめ」には、
卓球選手の持つ肩や腰の解剖学的な柔軟さや,スイング時に関節を大きく動かす機能的な柔軟さは,ラケット速度やスイング時間といったパフォーマンスに対してプラスに働くことはなく...
卓球選手には,高速でスイングする動作の中で,柔軟性とは区別された関節を硬いバネのように扱う技術あるいは筋力が必要であることが示された
と記載されています。
この、関節を硬いバネのように扱う技術は、マッスルスラック(腱と筋肉との複合体の弛み)がない状態から動作を開始する技術と密接に関係するように思えますが、いかがでしょうか。